樹脂サッシ(樹脂窓)とは?
樹脂」は別名・塩化ビニール樹脂とも呼ばれており、私たちが日常的に使う物(フライパンの取っ手など)にもよく使用されている素材です。
「樹脂サッシ」とは、その樹脂をフレームとして利用している窓のこと。
ドイツの化学会社が、寒さに強く省エネにつながることを目的として製造したのが始まりです。
樹脂サッシは断熱・気密性が高いため、北欧や北米などの寒冷地を中心に普及しています。
現在、国内の新築戸建て住宅でも、北海道で90%、北東北3県で約50%が、樹脂サッシを採用しているほどです。
しかし、本州にはあまり行き渡っていないのが現状で、日本全体の樹脂サッシ普及率を見てみると7%程度です。
一方、韓国の樹脂サッシ普及率は80%、アメリカやイギリス、フランス、ドイツでは60~69%と、半分以上の世帯に広まっています。
全国的に導入が進んでいる諸外国と比べると、日本はまだ樹脂サッシ後進国だということが分かります。
樹脂サッシのメリット
断熱性が高い
樹脂サッシの一番の特徴と言えるのが、断熱性の高さ。
これは、樹脂そのものが熱を伝えにくい材質であることが理由となっています。
アルミに比べると熱伝導率が約1000分の1と非常に低く、この点では樹脂サッシの方が遥かに優れていると言えるでしょう。
実際、樹脂製サッシの家は、アルミ製のサッシを使用している家に比べて、室内温度が夏場は2℃低く、冬場は4℃高くなるという実験結果が出ています。
また、最近ではペアガラス(複層ガラス)やトリプルガラス(三層複層)のサッシも多く、ガラスとガラスの間に生まれる中空層が、さらに熱の出入りを防ぐ仕組みになっています。
結露が生じにくい
断熱性が高いということは、冬場の冷気が室内に伝わりにくいということ。
そのため樹脂サッシは、外気との温度差によって生じる結露にもあまり悩まされずに済みます。
なお結露を防止することは、カビ・ダニの発生を防ぐことにも繋がります。
防音効果がある
樹脂サッシは気密性に優れており、外部の音が室内に侵入したり、家の中の音が外に漏れ出たりすることを防ぐため、断熱だけでなく遮音にも効果を発揮します。
また、樹脂サッシには前述の通りペアガラス(複層ガラス)やトリプルガラス(三層複層)を採用している物が多いので、このガラスの構造がさらに遮音性を高めます。
寒冷地に適した窓というイメージの強い樹脂サッシですが、その特性はどのような住宅にも活かすことができます。
日本でも今後ますます普及が進むと考えられますので、いち早くご自宅の窓に取り入れてみてはいかがでしょうか。