さて、今までは工事中の様子をお見せ致しておりましたが、お施主様が見る機会のない、地縄張りの様子を今回はお見せ致します。
地縄張りは、配置図という図面と、平面図という図面を用いて行います(その他にもロープや、長めの釘、ハンマーも使います)。
配置図は、文字通り建物の配置が記された図面で、平面図は、家を真横に切り、それを真上から見た図面です。
この二つの図面を用いることにより、正確に貼っていきます。
ただ、それだけの情報では地縄は張れません。現地にて重要な情報があります。それは、ほとんどの土地に境界ピンという、お隣さんとの境界が分かるための杭若しくはプレートがあります。
その境界ピンの位置をみて、ブロックがお施主様の土地にあるブロックなのか、それともお隣さんの土地にあるブロックなのかを判断します。詳しくは、作業風景を見ながらご説明いたします。
それでは、作業風景を見ていきましょう。
まず初めにですが、土地によっては草が生えている場合があります。
この状態では、釘を刺したり、印をつけたりが出来ないですので、初めに草刈りを行います。
さて、いよいよ地縄を貼っていくのですが、地縄を貼るうえで更に重要な事があります。それは、建物の角です。建物の角が直角でないと、建物の寸法はあっていても、ひし形の建物になってしまいます。
そのため、私は、2つの方法を用いて建物の直角(角)を出していきます。その二つの方法は、平方根を用いて対角線を求める方法と、3対4対5を用いて直角を測る方法です。下の写真で説明いたします。
まずは、平方根を用いて対角線を測る方法です。
まさか、中学3年生で習った数学が生かされる日が来るとは思ってもいなかったです(笑)
こちらは、説明をすると、少し長くなりますので、なぜ対角線を計算したら、直角になるのか気になる方は、是非調べてみてください!
そして、3対4対5を用いて直角を出す方法です。
これも中学3年生の数学で習ったと思いますが、1対2体√3と、1対1対√2の2パターンもあるのに、なぜ3対4対5で直角を出すのかと言いますと、答えはシンプルです。
計算が楽だからです(笑)
実際、角の直角を正確に出すには、正直、どちらかの計算が合っていれば、間違いないです。
ただ、2つの方法を用いて求める方がより正確ですよね?
このようにして、地縄をはっていきます。
いきなり貼り終わった写真で申し訳御座いません。
この地縄を用いまして、地鎮祭や、地盤調査に挑みます。
ただ、私の貼り方は、あくまで人の手ではっただけのものです。多少の誤差があります。
その多少の誤差をなくすために、地盤調査の調査員さんや、工事が始まって最初にする基礎工事の業者さんは、精密な数字を出せる機械を用いて地縄の最終確認を致します。
あまり見ることのない、裏の作業ですが、とても大事な工程です。
皆様のご自宅となる建物を皆様が安心して暮らせるように、日々頑張ってまいります。
また、来週の水曜日に現場の風景をお届けいたしますので、お楽しみにお待ちください。